中予ARONJ医歯薬連携会

公開日:  最終更新日:2018/04/27

こんにちは。丸尾歯科の副院長 丸尾尚伸です。

4月5日コミセンにてセミナーに参加してきました。

 

1人目は近畿大学医学部奈良病院 整形外科・リウマチ科 教授 宗圓 聰先生の講演で「骨粗鬆症治療の薬物療法に関する最新の話題」との題目でした。

 

BP製剤は骨粗鬆症に伴う大腿骨骨折予防や骨転移を有するがん患者の治療に広く用いられています。さらに別の作用機序で働くデノスマブという新しい薬が使用されるようになり、半減期が短いので顎骨壊死は起こらない事が期待されたが、BP製剤と同様の頻度で発現することが判明した。BP製剤は多くの患者に投与されているが、必ずしも必要な人にのみ投与されているわけではない。がん患者や骨密度の著しい低下の認められる患者には、早期に投与することがあるが、そうでない場合も多数あり慎重に判断することが重要である。

 

2人目は兵庫医科大学 歯科口腔外科 主任教授 岸本 裕光 先生の講演で「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死を予防するための医歯薬連携」との題目でした。

 

一般的に抜歯など顎骨への侵襲がBRONJの起因と考えられていましたが、現在は局所感染が主な原因と考えられています。その証拠に抜歯をしなくても根尖病巣など感染がある歯を放置しておくと、根尖付近の歯肉が裂開し骨露出などBRONJの症状が出ることがある点です。つまり抜歯しなくても、口腔内で局所感染が長期に続くとBRONJが起こるということです。感染源を除去するには抜歯するしかありませんし、BP製剤の休薬は骨折率を上昇させたり再薬の拒否などにつながるため、岸本先生は基本的に内服継続したままで抜歯するそうです。その際には感染源の除去のために丁寧に抜歯窩を掃除し、骨面が露出しないように閉創することがポイントだそうです。

 

ポジションペーパーをまとめると↓

 

骨吸収抑制薬(投与前)の歯科治療

投与前の歯科治療は内服開始の2週間前までに終えておく事が望ましい。

 

骨吸収抑制薬(投与中)の歯科治療

BRONJ 発生は感染が引き金になっているので、発生予防には感染予防がきわめて効果的、重要である。歯科治療は基本的には BP は休薬せずに侵襲的歯科治療をできるだけ避けるが、ONJ 発症の誘因(感染源)となるような歯の抜去などが避けられない場合は術前から抗菌剤を投与し、侵襲の程度、範囲を可及的に最小に抑え、処置後は残存する骨の鋭端は平滑にし、術創は骨膜を含む口腔粘膜で閉鎖する。

 

骨吸収抑制薬(投与中)の侵襲的歯科治療

BP 投与が 4 年以上にわたる場合は BRONJ 発生率が増加するとデータがあり、侵襲的歯科治療を行う場合には、4 年以上の投与を確認し、骨折リスクを含めた全身状態が許容すれば 2 か月前後の骨吸収抑制薬の休薬について主治医と協議検討する。

(デノスマブ投与中の歯科治療は、BP の場合と同様に、治療前の徹底した感染予防処置を行ったうえで休薬は行わずに、できるだけ保存的に、やむを得ない場合は侵襲的歯科治療を進める。)

 

骨吸収抑制薬再開時期

侵襲的歯科治療時に休薬した場合、再開は侵襲部位の十分な骨性治癒が見られる 2 か月前後が望ましい。しかしながら主疾患の病状より投与再開を早める必要がある場合には、術創部の上皮化がほぼ終了する 2 週間を待って術部に感染がないことを確認したうえで投与を再開する。

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑