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歯根破折の治療

歯根破折 目次

▶歯根破折とは?

▶歯根破折の原因

▶歯根破折の治療法

▶歯根破折の予防



歯根破折とは?

歯根破折とは、歯を支えている根の部分にひびが入ったり歯が割れた状態を言います。 

通常、こうなってしまった歯は、ひび割れた部分から口の中の細菌がひびを伝って入り込むため、ひび割れに添って炎症を引き起こし、支えている骨を溶かして歯ぐきも腫れてきます。発見が遅れると抜歯になる事がほとんどです。

歯根破折の原因

原因①

歯根破折を起こす歯は、ほとんどが歯の神経を失ってしまった場合です。歯の神経を治療する為に、歯の噛み合わせの部分に大きな穴が空いているので歯の強度が弱くなります。また、神経を失った歯は枯れ木と同様で、歯質がもろくなり割れやすくなってしまいます。

原因②

大きな虫歯などで神経を失った歯は、冠を入れる前に歯の形を整える為に支柱となる土台を入れ、その上から冠が入ります。通常、この土台(コア)は硬い丈夫な金属で作られます。ところが、この硬い金属が仇となって、噛む力が柔らかい歯質にとっては、くさびの様に働いて歯を割る力になってしまいます。


原因③(歯ぎしり・食いしばり癖・噛み癖)

通常、奥歯で物を噛む時の力は最大で60kg~70㎏と言われています。ところが、歯ぎしりをされる方が噛んでいる時の力は600㎏~700㎏に達するというデータがあり、歯ぎしりをされる方の咬耗(咬みちびり)は特徴的でその顔つきや顎の張り具合、噛む筋肉の発達から容易に診断がつきます。
また、歯ぎしりをされる方は神経を取っていない歯でも二つに割れてしまう事もあるくらいです。
歯ぎしりと並んで歯に良くないのは、「食いしばり」です。通常は上下の歯が噛み合って接触する時間は一日のうち10~11分と言われています。ところが、緊張の続く日常生活を送るうちに、つい気が付くと上下の歯を「食いしばっている」人が多くなってきました。肩こり・偏頭痛、ひいては歯根破折にもつながりかねない噛み合わせの問題は、自分の気付き、歯を離してリラックスする等の日常生活の改善と、硬すぎる金属土台の変更が必要です。

 

歯根破折の治療法

2通りの治療方法があります。

ひびが入ったり割れた歯の治療は、大きく分けて2通りの方法に分かれます。 1つは口の中でひび割れの部分を修復する口腔内接着法。もう1つは一度抜歯して口の外で修復して再植(元の所に戻す)する口腔外接着法です。

①口腔内接着法(割れ方が初期段階のものに適しています)

マイクロスコープ(顕微鏡)で見ないと判断がつかない様な細いひびの場合や、割れ方が歯の付け根だけや表面だけの部分的な場合、又はひびが入っているけれどしっかりしていて割れた部分が動かない場合に適用する方法です。 ひび割れた部分には、細菌が侵入していると考えられます。ひびの部分を小さな超音波器具で削り取って、その部分に強力な接着剤を流して修復します。もちろん、細い根管の中のひびですから肉眼での治療には限界があり、マイクロスコープの下での治療となります。口の中での処置は、狭い場所を限られた視野の下で行う為、それだけ不正確になり易いのですが、歯周組織に与える損傷がほとんどない点から、可能であれば口腔内接着法が、まずは第一選択の治療法と言えるのです。口腔内接着を行って、上手く炎症が消えても4~5年後にひびの部分が再度炎症を起こす事もあります。その場合、今度は口腔外接着法に切り替えて処置を行う事で再度、歯の寿命を図る事も可能です。

②口腔外接着法(意図的再植法)

破折に気付かず、長期間放置されてひびが全周に及んだ場合やひび割れ部分が分裂してしまった場合に用いる接着法です。 一度歯を抜いて口の外に取り出し、炎症のある部分や汚れたひび割れ部分を取り除き、割れた部分を接着してから元の場所に戻す方法です。意図的再植は、抜歯以外に治療の方法がない場合に行う最後の手段となる方法で、現在では成功確率が非常に高い治療方法となっています。しかし、抜歯してみると歯根の表面のダメージが予想以上に広範囲であったり、ひびの入り方が複雑で元の状態に戻せない場合もあり、全ての歯が再植できる訳ではありません。抜歯してからの判断となる事が前提です。

 

歯根破折の予防

歯の神経を取った後、弱くなった歯を補強する為や空けた穴をふさぐために、硬くて丈夫な材料(金属)を用いてきたのが今までの治療方法でした。ところが、歯の象牙質に比べて数倍も硬い金属は、弱い歯を補強するどころか、入れた土台がくさび効果に働いて歯にひびを入れる力となる事で歯根破折を起こしてしまう場合が多いのです。現在、歯を失う原因の1位と2位は、虫歯と歯周病ですが、第3位の原因は歯根破折なのです11.4% 8020推進財団調べ)。

虫歯や歯周病の予防に熱心なスウェーデンの調査では抜歯の原因の62%が歯根破折となっています。歯根破折を起こした歯のほとんどが抜歯になっているのが現状です。


■ 歯根破折を起こさない支台?

それは支柱にFRP(繊維強化型プラスチック)を使います。これは細いグラスファイバーの糸をより合わせたもので、しなやかで丈夫な性質を持っています。この支柱の周りのコア部分は合成樹脂で作られます。これは歯に強固に接着して、固まった時の性質は歯根の象牙質に近く、支台の部分と歯根の接着面に加わる力は均一で、歯根と一体化する為にひび割れを起こしません。一度破折した歯根の土台には、このファイバーポスト&コアが不可欠です(金属土台ではまた割れてしまいます)。

また、虫歯で大きく崩壊した歯根の土台や、歯ぐきから上の部分を失った歯の土台は、歯根に大きな噛み合わせ力がかかり、歯根破折の可能性が高くなります。この様な場合の破折予防には歯質と一体化するファイバーポスト&コアは大きな力を発揮します。