こんにちは。丸尾歯科技工士の安波です。
日々よくある仕事の1つに入れ歯(義歯)の修理があります。
入れ歯が壊れた時には、新しく作り直す新製する場合と壊れてしまった入れ歯を修理する場合があります。
入れ歯(義歯)修理のメリット
・使っていた入れ歯を使うため、入れ歯に慣れやすい。
・新製よりも短い治療時間で済みます。
・新製するより料金が安く済む。
今回は入れ歯(義歯)が破損した時の原因や補修法について紹介したいと思います。
義歯の修理を行うのは、主にレジン床、人工歯、および維持装置の破折と外れの場合です。
修理を行うにあたっては、修理する義歯と同じ材料を使い、修理部分が目立たないようにします。
入れ歯(義歯)の修理方法
①入れ歯にヒビ、亀裂が入った場合
修理の中で一番多い修理になります。
破損の原因は主に噛み合わせの問題が考えられます。
又は床の厚みや長く使われているための材質の劣化も考えられます。
他には洗面台シンクや床などに落とした衝撃でヒビ、亀裂が入ることもあります。
↓前歯の裏側にヒビが入っています
修理としては、入れ歯をお預かりし、ヒビ、亀裂が入った部分を多めに取り除き、歯科用の専用プラスチック(即時重合レジン)で補修します。
20~30分で修理しお返しすることが可能です。
↓修復後
②入れ歯が割れた場合
全部入れ歯なら、やはり噛み合わせや歯肉の痩せなど入れ歯と粘膜との隙間などが影響していることも考えられます。
又、材質の劣化や床が薄かったとか、硬いものの上に落下してしまったなども考えられます。
修理としては、この場合割れた面がピッタリに戻る場合は比較的短時間で修理が可能です。(30~60分)
割れた面がピッタリ戻らない場合で、修理が可能な場合は診療室の口腔内での修理になります。
③人工歯が取れた場合
取れた人工歯の部分に過度な力が加わったことが考えられます。
取れた人工歯をそのまま使えるケースと新しく人工歯を使用するケースがあります。
↓前歯が取れました
専用プラスチック(即時重合レジン)を使って修理します。
↓修復後
修理した後、口腔内で噛み合わせをチェックします。
④入れ歯の維持装置(金具)が取れた、折れた場合
金具の金属疲労が考えられます。
↓維持装置のバネが半分折れています
入れ歯の金具は取れることはあまりありませんが、折れた場合は維持装置がかかっていた歯の所を型どりして、金具を作り直します。
↓新しい維持装置(後日来院時にお口の中で直接修理します)
そのため、後日来院して頂いた時に作り直した維持装置を口腔内で、即時重合レジンで留めて、その部分を研磨します。
維持装置が外れたり、取れかかったりした場合は、折れたりしてないなら、その時に修理可能です。
以上、原因や補修法について説明しましたが、注意して頂きたいのは、ヒビや割れた場合、患者さんご自身で接着剤などでつけることはお避け下さい。
何かご質問などございましたら、スタッフにお気軽にお声かけ下さい。