シニアに多い「歯の根面のむし歯」にご用心!!

丸尾歯科 衛生士の徳本です。

今回は根面カリエスについてお話します。

最近では高齢になっても多くの歯を残せる人が増えてきましたが、一方で、歯の根面の虫歯が増えてきています。

根面カリエスとは?

歯周病などにより歯ぐきが下がることで今まで歯ぐきに隠れていた歯の根面が露出してきます。

この部分にできる虫歯を「根面カリエス」といいます。

 

虫歯が進行すれば、歯の頭の部分(歯冠部)が虫歯になっていないのに、根元から歯が折れてしまうこともあります。

今まで虫歯になったことのない歯にできることもありますし、被せものをした歯の根元にできることもあります。

なぜ、根面は虫歯になりやすいのか?

ではなぜ歯の根面は虫歯になりやすいのでしょうか?

歯のあたまの部分は人体でもっとも硬いエナメル質で覆われています

しかし、歯根は硬いエナメル質ではなく、軟らかいセメント質で覆われているからです。

軟らかいセメント質や象牙質は酸に弱く、脱灰(歯の成分が溶け出す現象)がはじまるPHも高めです。

なのでエナメル質よりも脱灰しやすいのです。

また一度虫歯になるとあっと言う間に進行してしまうのも大きな特徴です。

どうして、シニアに根面カリエスが多いのか?

①歯を守る唾液が減少する

唾液には、

・食べかすやプラークを洗い流す作用(浄化作用)

・口の中の細菌の増殖をおさえる作用(殺菌作用)

・溶けだした歯の成分を再沈着させる作用(再石灰化作用)

・口内の酸性度を中和する作用(緩衝作用)

がありますが、服薬、放射線治療などにより唾液量が減るため、作用が十分に働かず虫歯になりやすくなります。

②「噛む」機能の低下

良く噛むことは唾液が出やすくなりますが、高齢者の場合噛む力が衰えたり、入れ歯によってかみにくくなると、しっかり噛まないで、食べやすい食品を選びがちになります。

そのため、噛まないで飲み込んでしまうことで唾液を出す機会が減るため、虫歯になりやすくなります。

③歯ぐきが下がっている人が多い

根面虫歯は歯ぐきが下がって歯の根が露出しない限り起こりません。

歯ぐきが下がる原因は歯周病や、過度な強すぎるゴシゴシ磨きですが、高齢のかたほど歯周病になっている割合が多いからです。

根面カリエスを予防するにはどうすれば良い?

では、歯の根面虫歯の予防法はどうしたらいいでしょうか。

①時間をかけて丁寧な歯磨き

まずは1日1回、10分以上かけた丁寧な歯磨きで、歯ぐき周りを清潔に保つことが大切です。

ゴシゴシ磨きで歯や歯ぐきに無理な力がかからないよう、ご自身に合ったセルフケアの方法を歯科医院で教えてもらいましょう。

 

 

②フッ化物の活用

根面の虫歯にはフッ素(フッ化物)が特に有効です。

フッ素入りの歯磨剤と歯磨き後のフッ素ジェルの塗布やフッ素のうがい薬をおすすめします。

最近では、根面カリエスをターゲットにしたフッ化物も増えたので、ご自身に合ったフッ化物を衛生士さんに見つけてもらいましょう。

 

③定期的な検診とメインテナンスの継続

根面の虫歯は早期発見、早期治療、メインテナンスが大切です。

メインテナンスでは露出した根面に高濃度のフッ素を塗布し、セルフケアで不足するフッ素を補います。

いずれにしても、根面虫歯にさせないためにセルフケアを徹底しプロフェッショナルケアをしっかり受けましょう。

上半期人気の物品(歯ブラシ編)

こんにちは、受付の桑田です。

まだまだ暑い日が続いてますが、みなさんいかがお過ごしですか?そんな中当院にお越しいただきありがとうございます!

今回は今年上半期にみなさんからご購入いただいた物品の人気ランキング、歯ブラシ編をご紹介します!

第1位

まずは不動の人気No.1は「永山」という歯ブラシです

ヘッドが小さく230円と比較的購入しやすい値段もあって、ご家族分色違いでたくさん買われる方が多いです。

第2位

次に人気があるのが「プロスペックミニ」です。

お子さんの仕上げ磨き用となってますが、当院の衛生士もみんな使っていて大人の人にもオススメの歯ブラシです。

実際購入されてるのも大人の方がほとんどです。

ブラシの部分が色分けされていて、歯とハグキの境目や歯と歯の間はブラシの側面、歯の裏側はブルーの部分、奥歯の後ろは赤の部分で磨くと磨きやすいです。

第3位

第3位は「プラウト」というブラシの部分が尖っているワンタフトブラシです。

日本人の歯は欧米人に比べて凹凸があるので、尖った部分で歯の間を磨くのに併用されている方が多いです。

また、矯正をされているお子さんは装置の間に食べ物が詰まりやすいので、このブラシを使ってもらっています。

番外編

最後に最近推しているのが「V 7」というつまようじ型の歯ブラシです。

この歯ブラシは磨くというよりは歯と歯の間にブラシを入れて汚れを押し出すという歯間ブラシの役割も果たすもので、ブラシ時間をあまり取れない方にオススメのものです。

V7は普通の歯ブラシと全く違う使い方をするので、最初は慣れるのに時間がかかります。

でも。慣れれば歯間ブラシをした時と同等の爽快感が得られます

使い方は以下の動画をご確認下さい。(PMJ V7公式チャンネルより)

このように一言で歯ブラシと言っても多種多様です。

みなさんの口腔内の状況や生活スタイルによって使いやすいものが変わってきます。

歯ブラシは一生使い続けるものなのでご自分に合うものを見つけていただけたらと思います。

一緒にお口の「健口」を目指しましょう!

歯ぎしりとくいしばり

こんにちは。丸尾歯科、衛生士の京極です。

みなさん、寝ている間の歯ぎしりを指摘されたり、歯がすり減っていたりしていませんか?

歯ぎしりやくいしばりの原因についての研究は数多く行われてきていて、ストレスや睡眠環境、睡眠習慣、服用している薬など様々な因子が考えられていますが、いまだに確定的な原因がわかっていない状態です。

歯ぎしりはリズミカルに顎を動かし、ギリギリと音を伴い、歯のすり減り(咬耗)が見られますが、

くいしばりは音がせず、顕著な咬耗も認められないためくいしばっていることに気付きにくいです。

食いしばりによる影響

くいしばりは一番奥の歯に特に力がかかるので、過度の食いしばりによって歯根破折が引き起こされ、奥歯からどんどん歯根破折→抜歯となる可能性が高くなります。

永久歯を抜歯する三大原因はむし歯(29%)歯周病(37%)歯根破折(18%)ですが、神経を取った歯は歯根破折を起こしやすく、歯根破折を起こした歯は抜歯することになります。

↓70代男性。歯ぎしりやくいしばりによって歯がすりちびています(咬耗)。

奥歯も破折で抜歯になり入れ歯を使用していますが入れ歯もよく破折して壊れて修理しています。

他にも歯根破折だけでなく、

・治療した銀の被せが摩耗する

・セラミックの被せやインプラントの上部構造(被せ)が欠けやすい

・詰め物が頻繁に取れる

・ご自分の歯が欠ける

・歯周病が進行しやすく治りにくい

(歯磨きがしっかりできていて歯肉に炎症がなければ、歯ぎしりが原因で歯周病が悪化したり抜歯になることはありませんが、歯磨きが不十分で歯肉に炎症があったり歯がぐらついていると歯ぎしりによる力で歯が揺り動かされ、歯周病が悪化する原因になります)

・顎関節症や頭痛、肩こりが起きやすい

(歯ぎしりやくいしばりは常に側頭筋や咬筋を使うので、起床時の顎のだるさや痛み、頭痛、肩凝りの原因になったり、歯ぎしりやくいしばりが原因で顎関節症が起こりやすく、口が開かない、口の開閉で顎の痛みや関節部分から音がするなどが起こります)

予防法は・・・

マウスピースを作ればいいかというと、そうではありません。被せが欠けない予防にはなりますが歯ぎしりやくいしばりをしなくなるわけではなく、むしろマウスピースの厚みで余計に歯を噛みしめやすくなり、逆効果です。

原因が解明されていない歯ぎしりとくいしばりですが一番の原因として考えられているのがTCH(Tooth Contacting Habit)です。

日中上下の歯は食事で噛む時に一瞬接触するだけなので、一日三食食べても10数分しか接触しません。食事以外唇は閉じていても上下の歯は2〜3mm隙間が出来ているのが正常な状態です。

これが昼間ずっと上下の歯が接触している、ずっとではないが接触していることがあると歯の周りの組織(歯根膜)が常に圧迫され、血行不良を起こします。正座をして足が痺れた時と同じように、感覚が過敏になり、むし歯や歯周病ではないのに歯が痛いと感じたり、知覚過敏を感じやすくなります。

歯ぎしりやくいしばりのようなぐっと強い力がかからない、軽い力であっても上下の歯が接触していると歯や顎の関節に負担がかかります。

デスクワークでのパソコン作業、スマホ見たり読書など下を向くような姿勢はTCHが起こりやすく、TCHがある(日中歯が接触している)と睡眠時の歯ぎしりやくいしばりが起こりやすくなります。

TCHを改善するには

①「歯をはなす」「リラックス」などと書いた付箋やメモを目に付く場所やよく通る場所に貼る。

②メモを貼ったら歯を離すということは忘れる。(意識し続けなくて済ます。)

③普段通り生活していてメモが目に入った時に歯が接触しているかチェックする。

④接触していたら一度ぐっと噛んで肩を上げ「あっ」言って脱力し、肩を下ろします。

接触しないように歯を離そう隙間を開けようとすると、今度は口を開ける筋肉が疲弊してしまいます。

脱力して離すのがポイントです。

TCHが減ってくる、なくなってくると睡眠時の歯ぎしりやくいしばりが軽減してきます。

睡眠時は自分でコントロールすることはできませんが、日中のTCHを是正して顎関節症や歯の破折などから守りましょう。

食卓に飲み物 置いていませんか?

丸尾歯科  保育士兼歯科助手の季羽です。

今回は、特に子育て中の方に読んで頂きたいお話です。

お子さんの食事中、意識して観察してみて下さい。

お子さんが食事の時、あまり噛まずに飲み物で流し込んでいませんか?

普段あまり意識しないかもしれませんが、食事中に飲み物を置いていると、

自然と流し込む癖がついてしまっていることが多いので要注意です。

近年は食事の欧米化が進み、オムライスやハンバーグ、麺類など、

噛まなくても飲み込める、柔らかい食べ物が食卓に並ぶ事が多くなっています。

数回噛んだだけで、飲み物で「流し食べ」してしまうと、噛む回数はかなり少なくなります。

子どもの顎はしっかり噛むことで発達していくので、噛む回数が減ると顎の成長が乏しくなります。

顎が小さければ歯が並ぶスペースがなくなって歯並びが悪くなってしまいます。

例えると同じ人数の人(歯)が長椅子(顎)に並んで座るのに、しっかりした大きさの椅子なら余裕をもって座れますが、

小さな椅子だとぎゅうぎゅうではみ出る人が出てきます。

↓歯の大きさと顎の大きさがマッチしている歯並び

↓顎が小さく歯が並びきらずはみ出してしまった歯並び

このように、しっかりとした顎の成長は良い歯並びへの第一歩と言えます。

良い歯並びの土台となる顎を育てるためにはよく噛むことが大切です。

またよく噛むことで唾液もしっかり出ますし、噛んで細かくなった食べ物を塊にして飲み込むという動きが、お口の筋肉や舌の機能を発達させます。

できるだけ一口30回以上は噛んでから飲み込むようにしましょう。

噛みごたえのある物を食べたり、大きいものを前歯でかじりとったりすることも大切ですが、それを飲み物で流し込んでいては意味がありません。

もちろん水分補給は大切ですが、飲み物は食事の前や後に摂りましょう。

理想は「サザエさん」の食卓です。

食事中には食卓に飲み物はなく、食事の後でお茶を飲みながらみんなで団らんしているシーンがよく出てきますね。

よい歯並びやお口の機能を育てるためにも、今日から食事中に飲み物を置かないようにしましょう!

診療報酬改定について

事務長の亀田です。

 

令和6年6月1日から診療報酬改定が実施されます。

これは保険診療の制度の見直しが2年に一度行われ、新しい診療が保険適用になったり、保険点数が増減したりするものです。

メンテナンスで通院されている方で、内容は全く同じでも窓口負担が変わってくることがあります。

 

今回の改定では「かかりつけ歯科医」の役割が評価されており、『ライフコースを通じて、継続的・定期的な歯科疾患(う蝕、歯周病等)の重症化予防や口腔機能の問題に対応することにより生涯を通じた口腔の健康の維持に寄与する。』ということが目的のひとつとなっております。

今回の改定で皆さんに関係あるのが、初再診料です。

 初診料 264点 → 267点(+3点)

 再診料  56点 →  58点(+2点)

 ※1点10円で計算され、窓口負担はその金額の1割~3割(患者さんによって異なります)になります。

 

マイナ保険証での受診か従来の保険証での受診かによって、初再診時の「医療情報取得加算」の点数が異なってきます。

◆マイナ保険証について

現行の健康保険証は令和6年12月2日に廃止となりますが、廃止後も最長1年間の猶予期間があります。

また、マイナンバーカードを保有していない方も医療機関で保険診療を受けられるよう、健康保険組合などの保険者から資格確認書が発行されます。勤務先にお問い合わせ下さい。

なお、資格確認書の有効期間は5年ですので、早目にご準備をされることをお勧めします。

 

睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)

こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。

みなさんは、睡眠時無呼吸症候群てご存知でしょうか?

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に舌や軟口蓋が弛緩し、一時的に気道が閉鎖されるため、呼吸が停止する病気です。

10秒以上の呼吸停止状態で「一晩(睡眠7時間)に30回以上の無呼吸」あるいは「睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸」がSASの診断基準となります。

睡眠時無呼吸症の歯科的治療

当院では、OA(Oral Appliance、いわゆるスリープスプリント)を作製しております。

就寝の際、上下顎の歯列にマウスピースを装着するだけです。

SASの治療といえば、専用医療器具を用いた「CPAP療法」の認知度が高いですが、スリープスプリント療法は「コンパクトで持ち運びに便利」「歯科医院で手軽に作れる」「簡単なメンテナンスで長期間使用可能」などのメリットから、治療の最初の選択肢としてお勧めしております。

オーラルアプライアンス(OA)

作用機序とし下顎の開口制限と前方移動、および下顎の固定にあります。

睡眠時(特に仰向けで休んでいるとき)は下顎が下方に沈み、それによって気道が閉鎖され、いびきや無呼吸が起こるため、下顎を前方で固定させ、気道を確保します。

効果・有効率は90%と非常に高いです。

このマウスピースは軽度、中等度のOSASに有効とされています。

OAの治療の流れ

①重度の歯周病や、顎関節症がないことを確認します。

②上下顎の歯型および噛み合わせの位置を採取します。

③上あご、下あごにマウスピースを制作して、これを装着します。

④下あごを前に誘導して固定します。

⑤OAを装着した後も、顎関節や筋肉に過剰な負担がないかなどを確認します。

 

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時のいびき・反復する呼吸停止や覚醒時の日中傾眠・倦怠感・集中力、注意力の欠如などを症状とし、学習・労働意欲の低下や事故の増加などを引き起こす、見過ごせない病気です。

この装置は、当院の院長も長年使用しております。

本人は自覚しにくい病気のため、ご家族や周囲の方から、「いびきが大きい」「睡眠中に息が止まっていた」などと指摘されて気付くケースが大半です。ご心配な方はどうぞお気軽にご相談くださいませ。

 

※保険の適用を希望される方へ

保険が適用になるのは専門の医療機関(内科や耳鼻科)で検査を受けて、閉塞型睡眠時無呼吸症と診断された方となります。

その際、紹介状を持参してください。

 

保定装置(リテーナー)

こんにちは。丸尾歯科技工士の安波です。

当院にはお陰さまで、矯正で来られている患者様が沢山おられます。

今回は保定装置(リテーナー)についてご紹介します。

保定装置とは

矯正治療によって歯や顎骨を移動しても装置を除去すると、治療前の方向に後戻りするため、移動された歯や顎骨がその位置で安定するように保持するために用いられる装置です。

保定のために矯正治療に使用した装置をそのまま用いることも出来ますが、矯正装置の構造は複雑であるため、変形や破損しやすく、外見的にも審美性が良くないため、患者様も出来るだけ早く取り外すことを希望します。

したがって矯正治療が終了したら、審美的障害が少ない保定装置に変更します。

保定装置のもつべき条件

①矯正治療によって移動された歯や顎骨を、その位置で確実に保持できること

②個々の歯の生理的な運動を妨げないこと

③歯の萌出や顎骨の成長を妨げないこと

④発音や咀嚼などの機能を妨げないこと

⑤できるだけ外見に触れないこと

⑥口腔内を清潔に保てること

 

保定装置(リテーナー)の種類

①ホーレータイプリテーナー

 

②ベッグタイプリテーナー

 

 

③マウスピースタイプリテーナー

 

 

 

 

当院では、主に③のマウスピースタイプのリテーナーを使用しております。

当院にはマウスピースタイプのリテーナーを作るための加熱加圧成形器があるので、1日で完成することが可能です。

午前中の早い時間帯に来院して頂いて、矯正装置を外し、型取りして作成し、お手数ですが夕方にもう一度来院して頂いております。

何かご質問などございましたら、お気軽にお声かけ下さい。

 

フッ素とインプラント

こんにちは。衛生士の徳本です。

今回はフッ素とインプラントの関係についてお話したいと思います。

まずフッ素についてですが最近はみなさんもフッ素入り歯みがき粉を使用していたりしてフッ素(フッ化物)が虫歯予防効果の高い成分としてご存知かと思います。

そのフッ素の働きには主に3つあります。

1.歯の再石灰化の促進

酸によって歯の成分が溶け出す現象を「脱灰」、歯の成分が歯に戻る現象を「再石灰化」といいます。唾液にはもともと再石灰化作用があるのですが、フッ素はその働きを加速させます。

2.酸に強い歯にする

私たちの歯は「ハイドロキシアパタイト」という物質でできています。とても硬い物質ですが、酸には弱いです。ですがフッ素によって再石灰化が促進される際にハイドロキシアパタイトは「フルオロアパタイト」という酸に強い物質に変わることで歯を酸に強くするのです。

3.細菌の活動を抑制する

フッ素には細菌の活動を抑える作用もあります。お口の中にフッ素があると細菌が酸を作り出す力を減少させます。これがフッ素の効果です。このフッ素の効果を発揮させるためには、毎日のフッ素入り歯みがき剤やフッ素のジェルなどを継続的に使用することが虫歯予防に役立ちます。

 

フッ素とインプラントの関係

そんなフッ素ですが、インプラントに影響を及ぼすと思われている方が多いのではないでしょうか?

確かに9000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められるという発表がフッ素研究会からされましたが、フッ素研究会が注意を促しているフッ素濃度は9000ppmは国内で販売されている歯みがき粉やフッ素のジェルでは存在しない数値です。

日本国内の製造販売認証基準ではフッ素濃度は1500ppm未満とされている上、1000ppmを越えるフッ素濃度でも唾液で薄まるとされています。

ですから歯みがき粉やジェルに含まれるフッ素がインプラントを腐食させるリスクは低く、かつ天然歯が虫歯になるリスクを軽減できるためインプラント治療後もフッ素入りの歯みがき粉やフッ素のジェルを使っても大丈夫だと日本口腔衛生学会も発表しています。

しかし、天然歯が少なくインプラントが多い方やそれでもやっぱり腐食が心配な方は、フッ素無配合の歯みがき粉やジェルを使用するのが良いと思います。

インプラント用のフッ素無配合の歯みがき粉としてはジェルコートIPがあります。

ジェルコートIPは高い殺菌成分の塩酸クロルヘキシジンが細菌かんせんのリスクをさげ、良好なお口の環境を維持することができます。また、歯肉活性化成分配合でインプラントを永く保つためにインプラントの土台(歯肉)をしっかりサポートします。

フッ素入りの歯みがき粉、フッ素無配合の歯みがき粉それぞれ自分のお口の中の状態に合った歯みがき粉を選んでお口の健口を維持しましょう。

自分でどちらを使用したらいいのがわからない方はいつでも私達に聞いて下さいね。

 

丸尾歯科の2023年

こんにちは!受付の桑田です。ぐっと気温が下がりやっと冬本番の気候になってきました。

みなさん、いかがお過ごしですか?

早いもので今年もあとわずかとなりました。丸尾歯科でもこの1年、色々な取り組みをしてきました。

セミナーや研修を受けて患者さんに喜んでもらえるようなプロジェクトを考えたり、イベントも少しずつ復活させたり。

その中で1番の大きな取り組みとして「デンタルフィットネス」の導入があげられます。

「デンタルフィットネス」というのは

治療の延長線上のメンテナンスではなく、治療が完了した人をより健康な人に向けていく方法で、どうすれば疾病予防できるかを教育するのではなく、どうすればより健康になれるかを一緒に考えていくシステムです。

その導入に向けて、4月から月に2回ほど休診日にセミナーを受講し、8月には香川のしん治歯科へ見学、実践練習に行ってきました。

泊まりの研修で他院を見学させてもらうということも今までない経験でとても勉強になりました!

大きく変わるのは今まで20分で診ていたのを約45分かけて予防のメニューで診ていくようになることです。

それにともなって予約も治療と予防を分けて取るようにし、患者さんの待ち時間を軽減していこうと考えています。

また、「Vセブン」というつまようじ法の歯ブラシを新しく取り入れていて、

衛生士は休診時間に何度もブラッシング練習し、チェックを受け全員合格をもらいました!

10月から随時「デンタルフィットネス」を導入していますが、患者さんにも満足して頂いてます。

これからも丸尾歯科では患者さんに喜んでもらえるよう色々なことを勉強し、取り入れていきたいと思います。

最後になりましたが、今年も1年ありがとうございました!来年も引き続きよろしくお願いします!

インプラントオーバーデンチャー(LODI)とは

こんにちは。愛媛県松山市の丸尾歯科、衛生士の京極です。

今回はインプラントオーバーデンチャー(LODI)のお話です。

インプラントはご存知の方が多いと思いますが「デンチャー」とは入れ歯(義歯)の事です。

部分入れ歯をパーシャルデンチャー、総入れ歯をフルデンチャーといいます。

部分入れ歯(パーシャルデンチャー)

部分入れ歯はご自分の歯がまだ残っているので、残っている歯に入れ歯の引っ掛け(クラスプ)をかけることで入れ歯の維持、安定を得ることができます。

しかし、入れ歯の出し入れで引っ掛けがかかっている歯に負担がかかったり、噛んだ時に入れ歯にかかる力が引っ掛けている歯にもかかってくるので引っ掛けの歯に負担が集中することになります。    

入れ歯の引っ掛けがかかる歯は、上記のような理由から、歯の根の破折が起こりやすかったり歯周病などで歯のグラつき(動揺)が出ているとますますグラグラになってしまって抜歯になる可能性が高くなります。

審美的にも保険の入れ歯の引っ掛け(クラスプ)はでできていますので、引っ掛ける歯が前の方だと引っ掛けが見えて目立ってしまいます。

総入れ歯(フルデンチャー)

総入れ歯は上下とも歯茎との吸着で維持をもたせるので歯茎が痩せると外れやすくなったり、入れ歯がズレて歯茎に痛みが出るようになります。        

また引っ掛けがない分、維持をもたせるために入れ歯で歯茎を包むような設計になるので入れ歯が大きく感じたり、上あごの部分も覆うようになるので違和感や異物感を感じやすくなります。

インプラントと入れ歯、どちらが良いのかは状態次第

歯がなくなってしまったらインプラントをすることで残っている歯に負担をかけずに審美的、機能的にもご自分の歯のように補う事ができるのですが、歯がなくなってしまった場所や本数、患者様の心理・体調面、コスト面で入れ歯とインプラントを併用することもあります。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャー(LODI)は入れ歯の下にくるようにインプラントを埋入し、アタッチメントをつけることで引っ掛けがなくても入れ歯を下から支え安定を図ります。

LODIに使用するインプラントは通常のインプラントより短く細いのと、被せを入れるわけではなく、上に入れ歯がくるので専用のアタッチメントをつけるようになるので、インプラント埋入時の負担もトータルのコストも抑えることができます。

入れ歯も新しく作り治す必要はなく、今使っている入れ歯に合わせて施術することも可能です。もちろん保険で作った入れ歯でも大丈夫です。

金色の部分がインプラントです。

黒い部分はアタッチメントでこれがインプラントにパチッとはまり込むことで引っ掛けがなくても維持が出て入れ歯が安定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インプラントをする前の入れ歯です。上あごも覆われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように総入れ歯の場合、LODIをすることで維持が出ますので上あごの部分を無くしてしまって、違和感を減らすことができます。

興味がお有りの方は、是非スタッフまでご相談下さい。