食卓に飲み物 置いていませんか?

丸尾歯科  保育士兼歯科助手の季羽です。

今回は、特に子育て中の方に読んで頂きたいお話です。

お子さんの食事中、意識して観察してみて下さい。

お子さんが食事の時、あまり噛まずに飲み物で流し込んでいませんか?

普段あまり意識しないかもしれませんが、食事中に飲み物を置いていると、

自然と流し込む癖がついてしまっていることが多いので要注意です。

近年は食事の欧米化が進み、オムライスやハンバーグ、麺類など、

噛まなくても飲み込める、柔らかい食べ物が食卓に並ぶ事が多くなっています。

数回噛んだだけで、飲み物で「流し食べ」してしまうと、噛む回数はかなり少なくなります。

子どもの顎はしっかり噛むことで発達していくので、噛む回数が減ると顎の成長が乏しくなります。

顎が小さければ歯が並ぶスペースがなくなって歯並びが悪くなってしまいます。

例えると同じ人数の人(歯)が長椅子(顎)に並んで座るのに、しっかりした大きさの椅子なら余裕をもって座れますが、

小さな椅子だとぎゅうぎゅうではみ出る人が出てきます。

↓歯の大きさと顎の大きさがマッチしている歯並び

↓顎が小さく歯が並びきらずはみ出してしまった歯並び

このように、しっかりとした顎の成長は良い歯並びへの第一歩と言えます。

良い歯並びの土台となる顎を育てるためにはよく噛むことが大切です。

またよく噛むことで唾液もしっかり出ますし、噛んで細かくなった食べ物を塊にして飲み込むという動きが、お口の筋肉や舌の機能を発達させます。

できるだけ一口30回以上は噛んでから飲み込むようにしましょう。

噛みごたえのある物を食べたり、大きいものを前歯でかじりとったりすることも大切ですが、それを飲み物で流し込んでいては意味がありません。

もちろん水分補給は大切ですが、飲み物は食事の前や後に摂りましょう。

理想は「サザエさん」の食卓です。

食事中には食卓に飲み物はなく、食事の後でお茶を飲みながらみんなで団らんしているシーンがよく出てきますね。

よい歯並びやお口の機能を育てるためにも、今日から食事中に飲み物を置かないようにしましょう!

診療報酬改定について

事務長の亀田です。

 

令和6年6月1日から診療報酬改定が実施されます。

これは保険診療の制度の見直しが2年に一度行われ、新しい診療が保険適用になったり、保険点数が増減したりするものです。

メンテナンスで通院されている方で、内容は全く同じでも窓口負担が変わってくることがあります。

 

今回の改定では「かかりつけ歯科医」の役割が評価されており、『ライフコースを通じて、継続的・定期的な歯科疾患(う蝕、歯周病等)の重症化予防や口腔機能の問題に対応することにより生涯を通じた口腔の健康の維持に寄与する。』ということが目的のひとつとなっております。

今回の改定で皆さんに関係あるのが、初再診料です。

 初診料 264点 → 267点(+3点)

 再診料  56点 →  58点(+2点)

 ※1点10円で計算され、窓口負担はその金額の1割~3割(患者さんによって異なります)になります。

 

マイナ保険証での受診か従来の保険証での受診かによって、初再診時の「医療情報取得加算」の点数が異なってきます。

◆マイナ保険証について

現行の健康保険証は令和6年12月2日に廃止となりますが、廃止後も最長1年間の猶予期間があります。

また、マイナンバーカードを保有していない方も医療機関で保険診療を受けられるよう、健康保険組合などの保険者から資格確認書が発行されます。勤務先にお問い合わせ下さい。

なお、資格確認書の有効期間は5年ですので、早目にご準備をされることをお勧めします。

 

睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)

こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。

みなさんは、睡眠時無呼吸症候群てご存知でしょうか?

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に舌や軟口蓋が弛緩し、一時的に気道が閉鎖されるため、呼吸が停止する病気です。

10秒以上の呼吸停止状態で「一晩(睡眠7時間)に30回以上の無呼吸」あるいは「睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸」がSASの診断基準となります。

睡眠時無呼吸症の歯科的治療

当院では、OA(Oral Appliance、いわゆるスリープスプリント)を作製しております。

就寝の際、上下顎の歯列にマウスピースを装着するだけです。

SASの治療といえば、専用医療器具を用いた「CPAP療法」の認知度が高いですが、スリープスプリント療法は「コンパクトで持ち運びに便利」「歯科医院で手軽に作れる」「簡単なメンテナンスで長期間使用可能」などのメリットから、治療の最初の選択肢としてお勧めしております。

オーラルアプライアンス(OA)

作用機序とし下顎の開口制限と前方移動、および下顎の固定にあります。

睡眠時(特に仰向けで休んでいるとき)は下顎が下方に沈み、それによって気道が閉鎖され、いびきや無呼吸が起こるため、下顎を前方で固定させ、気道を確保します。

効果・有効率は90%と非常に高いです。

このマウスピースは軽度、中等度のOSASに有効とされています。

OAの治療の流れ

①重度の歯周病や、顎関節症がないことを確認します。

②上下顎の歯型および噛み合わせの位置を採取します。

③上あご、下あごにマウスピースを制作して、これを装着します。

④下あごを前に誘導して固定します。

⑤OAを装着した後も、顎関節や筋肉に過剰な負担がないかなどを確認します。

 

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時のいびき・反復する呼吸停止や覚醒時の日中傾眠・倦怠感・集中力、注意力の欠如などを症状とし、学習・労働意欲の低下や事故の増加などを引き起こす、見過ごせない病気です。

この装置は、当院の院長も長年使用しております。

本人は自覚しにくい病気のため、ご家族や周囲の方から、「いびきが大きい」「睡眠中に息が止まっていた」などと指摘されて気付くケースが大半です。ご心配な方はどうぞお気軽にご相談くださいませ。

 

※保険の適用を希望される方へ

保険が適用になるのは専門の医療機関(内科や耳鼻科)で検査を受けて、閉塞型睡眠時無呼吸症と診断された方となります。

その際、紹介状を持参してください。

 

保定装置(リテーナー)

こんにちは。丸尾歯科技工士の安波です。

当院にはお陰さまで、矯正で来られている患者様が沢山おられます。

今回は保定装置(リテーナー)についてご紹介します。

保定装置とは

矯正治療によって歯や顎骨を移動しても装置を除去すると、治療前の方向に後戻りするため、移動された歯や顎骨がその位置で安定するように保持するために用いられる装置です。

保定のために矯正治療に使用した装置をそのまま用いることも出来ますが、矯正装置の構造は複雑であるため、変形や破損しやすく、外見的にも審美性が良くないため、患者様も出来るだけ早く取り外すことを希望します。

したがって矯正治療が終了したら、審美的障害が少ない保定装置に変更します。

保定装置のもつべき条件

①矯正治療によって移動された歯や顎骨を、その位置で確実に保持できること

②個々の歯の生理的な運動を妨げないこと

③歯の萌出や顎骨の成長を妨げないこと

④発音や咀嚼などの機能を妨げないこと

⑤できるだけ外見に触れないこと

⑥口腔内を清潔に保てること

 

保定装置(リテーナー)の種類

①ホーレータイプリテーナー

 

②ベッグタイプリテーナー

 

 

③マウスピースタイプリテーナー

 

 

 

 

当院では、主に③のマウスピースタイプのリテーナーを使用しております。

当院にはマウスピースタイプのリテーナーを作るための加熱加圧成形器があるので、1日で完成することが可能です。

午前中の早い時間帯に来院して頂いて、矯正装置を外し、型取りして作成し、お手数ですが夕方にもう一度来院して頂いております。

何かご質問などございましたら、お気軽にお声かけ下さい。

 

フッ素とインプラント

こんにちは。衛生士の徳本です。

今回はフッ素とインプラントの関係についてお話したいと思います。

まずフッ素についてですが最近はみなさんもフッ素入り歯みがき粉を使用していたりしてフッ素(フッ化物)が虫歯予防効果の高い成分としてご存知かと思います。

そのフッ素の働きには主に3つあります。

1.歯の再石灰化の促進

酸によって歯の成分が溶け出す現象を「脱灰」、歯の成分が歯に戻る現象を「再石灰化」といいます。唾液にはもともと再石灰化作用があるのですが、フッ素はその働きを加速させます。

2.酸に強い歯にする

私たちの歯は「ハイドロキシアパタイト」という物質でできています。とても硬い物質ですが、酸には弱いです。ですがフッ素によって再石灰化が促進される際にハイドロキシアパタイトは「フルオロアパタイト」という酸に強い物質に変わることで歯を酸に強くするのです。

3.細菌の活動を抑制する

フッ素には細菌の活動を抑える作用もあります。お口の中にフッ素があると細菌が酸を作り出す力を減少させます。これがフッ素の効果です。このフッ素の効果を発揮させるためには、毎日のフッ素入り歯みがき剤やフッ素のジェルなどを継続的に使用することが虫歯予防に役立ちます。

 

フッ素とインプラントの関係

そんなフッ素ですが、インプラントに影響を及ぼすと思われている方が多いのではないでしょうか?

確かに9000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められるという発表がフッ素研究会からされましたが、フッ素研究会が注意を促しているフッ素濃度は9000ppmは国内で販売されている歯みがき粉やフッ素のジェルでは存在しない数値です。

日本国内の製造販売認証基準ではフッ素濃度は1500ppm未満とされている上、1000ppmを越えるフッ素濃度でも唾液で薄まるとされています。

ですから歯みがき粉やジェルに含まれるフッ素がインプラントを腐食させるリスクは低く、かつ天然歯が虫歯になるリスクを軽減できるためインプラント治療後もフッ素入りの歯みがき粉やフッ素のジェルを使っても大丈夫だと日本口腔衛生学会も発表しています。

しかし、天然歯が少なくインプラントが多い方やそれでもやっぱり腐食が心配な方は、フッ素無配合の歯みがき粉やジェルを使用するのが良いと思います。

インプラント用のフッ素無配合の歯みがき粉としてはジェルコートIPがあります。

ジェルコートIPは高い殺菌成分の塩酸クロルヘキシジンが細菌かんせんのリスクをさげ、良好なお口の環境を維持することができます。また、歯肉活性化成分配合でインプラントを永く保つためにインプラントの土台(歯肉)をしっかりサポートします。

フッ素入りの歯みがき粉、フッ素無配合の歯みがき粉それぞれ自分のお口の中の状態に合った歯みがき粉を選んでお口の健口を維持しましょう。

自分でどちらを使用したらいいのがわからない方はいつでも私達に聞いて下さいね。

 

丸尾歯科の2023年

こんにちは!受付の桑田です。ぐっと気温が下がりやっと冬本番の気候になってきました。

みなさん、いかがお過ごしですか?

早いもので今年もあとわずかとなりました。丸尾歯科でもこの1年、色々な取り組みをしてきました。

セミナーや研修を受けて患者さんに喜んでもらえるようなプロジェクトを考えたり、イベントも少しずつ復活させたり。

その中で1番の大きな取り組みとして「デンタルフィットネス」の導入があげられます。

「デンタルフィットネス」というのは

治療の延長線上のメンテナンスではなく、治療が完了した人をより健康な人に向けていく方法で、どうすれば疾病予防できるかを教育するのではなく、どうすればより健康になれるかを一緒に考えていくシステムです。

その導入に向けて、4月から月に2回ほど休診日にセミナーを受講し、8月には香川のしん治歯科へ見学、実践練習に行ってきました。

泊まりの研修で他院を見学させてもらうということも今までない経験でとても勉強になりました!

大きく変わるのは今まで20分で診ていたのを約45分かけて予防のメニューで診ていくようになることです。

それにともなって予約も治療と予防を分けて取るようにし、患者さんの待ち時間を軽減していこうと考えています。

また、「Vセブン」というつまようじ法の歯ブラシを新しく取り入れていて、

衛生士は休診時間に何度もブラッシング練習し、チェックを受け全員合格をもらいました!

10月から随時「デンタルフィットネス」を導入していますが、患者さんにも満足して頂いてます。

これからも丸尾歯科では患者さんに喜んでもらえるよう色々なことを勉強し、取り入れていきたいと思います。

最後になりましたが、今年も1年ありがとうございました!来年も引き続きよろしくお願いします!

インプラントオーバーデンチャー(LODI)とは

こんにちは。愛媛県松山市の丸尾歯科、衛生士の京極です。

今回はインプラントオーバーデンチャー(LODI)のお話です。

インプラントはご存知の方が多いと思いますが「デンチャー」とは入れ歯(義歯)の事です。

部分入れ歯をパーシャルデンチャー、総入れ歯をフルデンチャーといいます。

部分入れ歯(パーシャルデンチャー)

部分入れ歯はご自分の歯がまだ残っているので、残っている歯に入れ歯の引っ掛け(クラスプ)をかけることで入れ歯の維持、安定を得ることができます。

しかし、入れ歯の出し入れで引っ掛けがかかっている歯に負担がかかったり、噛んだ時に入れ歯にかかる力が引っ掛けている歯にもかかってくるので引っ掛けの歯に負担が集中することになります。    

入れ歯の引っ掛けがかかる歯は、上記のような理由から、歯の根の破折が起こりやすかったり歯周病などで歯のグラつき(動揺)が出ているとますますグラグラになってしまって抜歯になる可能性が高くなります。

審美的にも保険の入れ歯の引っ掛け(クラスプ)はでできていますので、引っ掛ける歯が前の方だと引っ掛けが見えて目立ってしまいます。

総入れ歯(フルデンチャー)

総入れ歯は上下とも歯茎との吸着で維持をもたせるので歯茎が痩せると外れやすくなったり、入れ歯がズレて歯茎に痛みが出るようになります。        

また引っ掛けがない分、維持をもたせるために入れ歯で歯茎を包むような設計になるので入れ歯が大きく感じたり、上あごの部分も覆うようになるので違和感や異物感を感じやすくなります。

インプラントと入れ歯、どちらが良いのかは状態次第

歯がなくなってしまったらインプラントをすることで残っている歯に負担をかけずに審美的、機能的にもご自分の歯のように補う事ができるのですが、歯がなくなってしまった場所や本数、患者様の心理・体調面、コスト面で入れ歯とインプラントを併用することもあります。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャー(LODI)は入れ歯の下にくるようにインプラントを埋入し、アタッチメントをつけることで引っ掛けがなくても入れ歯を下から支え安定を図ります。

LODIに使用するインプラントは通常のインプラントより短く細いのと、被せを入れるわけではなく、上に入れ歯がくるので専用のアタッチメントをつけるようになるので、インプラント埋入時の負担もトータルのコストも抑えることができます。

入れ歯も新しく作り治す必要はなく、今使っている入れ歯に合わせて施術することも可能です。もちろん保険で作った入れ歯でも大丈夫です。

金色の部分がインプラントです。

黒い部分はアタッチメントでこれがインプラントにパチッとはまり込むことで引っ掛けがなくても維持が出て入れ歯が安定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インプラントをする前の入れ歯です。上あごも覆われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように総入れ歯の場合、LODIをすることで維持が出ますので上あごの部分を無くしてしまって、違和感を減らすことができます。

興味がお有りの方は、是非スタッフまでご相談下さい。

要注意! 子どものお口の癖

丸尾歯科 保育士兼歯科助手の季羽です。

お子さんにこんな癖はありませんか?

指を吸ったり爪を咬んだりする

 

唇を咬む

 

口の周りをなめる

 

舌を前や横に出す(飲み込む時や話す時に舌が見える)

このようなお口の癖が4歳を過ぎても続くと、歯並びや噛み合わせに影響が出やすくなります。

 

指しゃぶりや爪咬みなどは保護者の方も気づきやすく、「歯並びが悪くなる」とご存知の方も多いと思います。

一方、

唇を噛んだり舌を前に出したりする癖は保護者の方も気づかないことが多く、歯並びへの影響があることもあまり知られていません。

このような癖が続くとお口の周りの筋力のバランスが崩れ、歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼしてしまいます。

それ以上に見た目だけではなく「食べる・話す・呼吸する機能」にも問題が起こりやすくなります。

指しゃぶりの悪影響

長期に及ぶ指しゃぶりは、前歯が咬み合わない「開咬」という状態になることがあり、前歯で食べ物を咬みきれないため、一口にたくさん入れすぎてよく咬めなくなります。

飲み込む時には舌で前歯の隙間をふさごうとするようになり、さらに開咬が悪化し、

そこから「お口ポカン」さらには口呼吸につながることもあります。

このようにお口の癖は侮れないものです。

矯正治療をしていても、お口の癖があると上手く進まなかったり、装置を外した後で後戻りしたりすることもあります。

まずは日頃お子さんの口元を見て、このような癖がないかチェックしてみてください。

もし気になる癖があれば、4歳を目安にやめさせるようにしましょう。

悪習癖のやめさせ方のポイント

指しゃぶりや爪咬みは「4歳になったらやめようね」「◯◯組さんになったらやめようね」とあらかじめ目標を決めて、自分からやめられるようにしていくと良いですね。

唇を咬んだりなめたりする癖は本人も無意識でしていることが多いので、「唇を咬まない方がかっこいいよ」などと声かけしてあげましょう。

どの癖も「しちゃダメ!」と強く注意すると、お子さんのストレスになったり、他の癖に移行したりすることもあるので自分でやめられるようになるといいですね。

 

舌を前に出す癖はまずは「正しい舌の位置」を身につけることが大切!!

この位置に舌先をつける練習をし、食べたり話したりする時以外はこの場所に舌をつけるように意識するようにします。

飲み込む時に舌が前に出るお子さんは、正しい嚥下の仕方のトレーニングがおすすめです!

丸尾歯科では嚥下のトレーニング方法をお伝えしているので、お子さんの癖が気になる方はスタッフにご相談くださいね。

医療費控除と高額療養費について

事務長の亀田です。

私も医療費控除と高額療養費を間違えてしまうことがあります。

そこで今回はそれぞれについて書きたいと思います。

◆医療費控除とは

1月1日から12月31日までの間に10万円以上の医療費を支払った際に受けられる控除をいいます。対象となる医療費は、自己のものだけでなく、配偶者や子どもなど生計を共にする家族や親族の分を含めることが可能です。

いつ申告するのか…

確定申告の際に医療費控除を申告します。年末調整では医療費控除を申告することはできません。職場で年末調整をされている場合は、確定申告で修正申告するようになります。

医療費控除の対象となるもの

保険診療での治療費、公共機関を使用した場合の交通費、自費診療で行なった詰め物・被せもの、インプラント治療

医療費控除を受ける際の注意事項

平成29年以降、医療費控除は医療費の領収書の添付が不要となりました。代わりに、医療費控除の明細書の提出と、領収書の自宅での5年間の保存が必要です。

確定申告で医療費控除の計算のため使用した領収書は、捨てずに大切に保管しましょう。

また、加入している医療保険の保険者や健康保険組合などから医療費通知の交付を受けている方は、この通知書を添付書類として利用することができます。

医療費控除の明細書

◆高額療養費とは

同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、

一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。

医療費が高額になることが事前にわかっている場合(手術や入院など)には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

「限度額適用認定証」は各保険者に申請すると発行してもらえます。

自己負担額限度額とは

自己負担限度額は、年齢および所得状況等により設定されています。

以下を参考にしてください。

75歳以上の方

 

CAD/CAMインレーについて

こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。

令和4年度より保険適用となったCAD/CAMインレー。「保険治療で白い詰め物にできる」となれば、魅力的に感じる方も多いかと思います。

もともと、CAD/CAMインレーに先駆けて「CAD/CAMクラウン(被せ物)」が、数年前から保険適用となっています。4番、5番、条件付きで6番(7番)の臼歯へ入れることが可能です。

歯科におけるCAD/CAM(キャド・キャム)とは、コンピューターを利用してインレー(詰め物)やクラウン(被せ物・差し歯)を設計・制作するシステムのことを指します。

ここで一番お伝えしたいのは、CAD/CAMインレーは、セラミックインレーとは別物だということです。CAD/CAMで使う歯科素材は、レジン(プラスチック)に焼成前のセラミック(陶器)の粉を混ぜた物で、強度・耐久性はあまり高くありません。

俗に言う「オールセラミック」は製作の過程で焼成することで、強度と美しい透明感を出しています。しかし、CAD/CAMでは色が決まったブロック材を機械で切り出して製作するので、基本的に焼成は行われません。

強度でいうと、CAD/CAMはセラミックの約3分の1、セラミックはジルコニア(人工ダイヤモンド)の約半分程度でしょうか。

ここでの強度は、あくまでも物質としての硬さの話なので、虫歯になりやすいかどうかではありません。噛み合わせや適合性、審美性、さまざまなことを考慮して、適切な素材を判断します。

CAD/CAMとセラミックの主な違い

CAD/CAMインレー(冠)

✳︎色は白いものの、色調が単調で透明感がない。

✳︎長年使用していると、だんだん光沢が失われ、変色する。

✳︎セラミックと比較して柔らかいため、表面に傷がつきやすい。細菌で不衛生になる場合がある。

保険適用外セラミック

✳︎天然の歯と同様の色調、高い審美性がある。

✳︎汚れがつきにくく、綺麗な白さを長く維持できる。

✳︎傷がつきにくいため、比較的衛生さを保つことができる。

CAD/CAMインレーの製作過程

①口腔内で形成して、型取りをします。

②石膏模型が出来たら、咬合器につけます。

③模型を光学印象して、コンピューターに画像を取り込み、設計をします。

④ミリングマシンでブロックを削り出します。

 約10分程でインレーの形になります。

⑤模型に試適して、研磨したら完成です!

CAD/CAMインレーは白い詰め物が入りますが、強度の問題により破折リスクが高くなります。

脱離したり、二次カリエスリスクも高くなるでしょう。

これらの理由で、非推奨の歯科医院も多くあります。

歯の治療の際に、気になる点やご不安なことがありましたら、スタッフにどうぞお気軽にご相談ください。