歯科用貴金属合金の種類

こんにちは。丸尾歯科・技工士の池山です。

虫歯治療の際、土台や補綴物(被せ物)を作るのに金属を使いますが、一言に銀歯と言っても用途に応じて使い分けているんです。

今回は歯科で使用する金属についてお話します。

使用する金属は主に金合金、金銀パラジウム合金、銀合金等があり、これらを貴金属合金といい、目的に応じて分けています。

補綴物が口腔内で機能を十分発揮するため、強さや硬さ等の機械的性質に加え、色調を伴う審美性、耐食性等が重要となってきます。

さらに今日の歯科用補綴物は、アタッチメントやインプラントの上部構造に代表されるような、高度な適合精度と耐久性が要求される他、特に鋳造用合金としては、鋳造が容易で技工操作に適したものである必要があります。

また、最近ではアレルギーも多く見られ、為害作用の少ない耐金属アレルギーを考慮した合金への要求も高まってきています。

今回は、代表的な各種合金の構成をご紹介します。

・土台に使う銀合金

「ジーシーキャスティングシルバーS」

銀ー70.5%

パラジウムー1%

亜鉛ー2.5%

インジウムー24%

その他ー2%(ガリウム等)

・保険のインレー、クラウン、ブリッジ等に使用する金銀パラジウム合金

「ジーシーキャストウェル」

金ー12%

パラジウムー20%

銀ー46%

銅ー20%

その他ー2%(亜鉛、イリジウム、インジウム)

・自費診療の金合金

「ネオキャスト3」

金ー71.6%

白金ー3.7%

銀ー12.7%

銅ー10.8%

亜鉛ー1.1%

その他ーイリジウム

・入れ歯に使用するコバルト・クロム合金

「バイオキャスト」

コバルトー63.9%

クロムー25.4%

モリブデンー5.0%

その他ー5.7%(ニッケル、鉄、けい素、アルミニウム、マンガン)

 

歯科で行う金属アレルギーに対する治療法

金属アレルギーの原因が歯科用金属である場合、原因となる金属を取り除き、アレルギーを起こしにくい材質の物と取り替える治療を行います。

*皮膚科で受けられる「パッチテスト」というアレルギーの原因を調べる検査で、アレルギーの原因が歯科用金属なのかどうかがわかります。

保険で使う金属のパラジウムがダメな方、銀合金がダメな方、今まで色んな方がいて対応してきました。

不安な方、皮膚科の先生より「歯科で使う金属について聞いてきて…」と言われた方は、 スタッフにご相談下さい