フッ素とインプラント

こんにちは。衛生士の徳本です。

今回はフッ素とインプラントの関係についてお話したいと思います。

まずフッ素についてですが最近はみなさんもフッ素入り歯みがき粉を使用していたりしてフッ素(フッ化物)が虫歯予防効果の高い成分としてご存知かと思います。

そのフッ素の働きには主に3つあります。

1.歯の再石灰化の促進

酸によって歯の成分が溶け出す現象を「脱灰」、歯の成分が歯に戻る現象を「再石灰化」といいます。唾液にはもともと再石灰化作用があるのですが、フッ素はその働きを加速させます。

2.酸に強い歯にする

私たちの歯は「ハイドロキシアパタイト」という物質でできています。とても硬い物質ですが、酸には弱いです。ですがフッ素によって再石灰化が促進される際にハイドロキシアパタイトは「フルオロアパタイト」という酸に強い物質に変わることで歯を酸に強くするのです。

3.細菌の活動を抑制する

フッ素には細菌の活動を抑える作用もあります。お口の中にフッ素があると細菌が酸を作り出す力を減少させます。これがフッ素の効果です。このフッ素の効果を発揮させるためには、毎日のフッ素入り歯みがき剤やフッ素のジェルなどを継続的に使用することが虫歯予防に役立ちます。

 

フッ素とインプラントの関係

そんなフッ素ですが、インプラントに影響を及ぼすと思われている方が多いのではないでしょうか?

確かに9000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められるという発表がフッ素研究会からされましたが、フッ素研究会が注意を促しているフッ素濃度は9000ppmは国内で販売されている歯みがき粉やフッ素のジェルでは存在しない数値です。

日本国内の製造販売認証基準ではフッ素濃度は1500ppm未満とされている上、1000ppmを越えるフッ素濃度でも唾液で薄まるとされています。

ですから歯みがき粉やジェルに含まれるフッ素がインプラントを腐食させるリスクは低く、かつ天然歯が虫歯になるリスクを軽減できるためインプラント治療後もフッ素入りの歯みがき粉やフッ素のジェルを使っても大丈夫だと日本口腔衛生学会も発表しています。

しかし、天然歯が少なくインプラントが多い方やそれでもやっぱり腐食が心配な方は、フッ素無配合の歯みがき粉やジェルを使用するのが良いと思います。

インプラント用のフッ素無配合の歯みがき粉としてはジェルコートIPがあります。

ジェルコートIPは高い殺菌成分の塩酸クロルヘキシジンが細菌かんせんのリスクをさげ、良好なお口の環境を維持することができます。また、歯肉活性化成分配合でインプラントを永く保つためにインプラントの土台(歯肉)をしっかりサポートします。

フッ素入りの歯みがき粉、フッ素無配合の歯みがき粉それぞれ自分のお口の中の状態に合った歯みがき粉を選んでお口の健口を維持しましょう。

自分でどちらを使用したらいいのがわからない方はいつでも私達に聞いて下さいね。