睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)

こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。

みなさんは、睡眠時無呼吸症候群てご存知でしょうか?

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に舌や軟口蓋が弛緩し、一時的に気道が閉鎖されるため、呼吸が停止する病気です。

10秒以上の呼吸停止状態で「一晩(睡眠7時間)に30回以上の無呼吸」あるいは「睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸」がSASの診断基準となります。

睡眠時無呼吸症の歯科的治療

当院では、OA(Oral Appliance、いわゆるスリープスプリント)を作製しております。

就寝の際、上下顎の歯列にマウスピースを装着するだけです。

SASの治療といえば、専用医療器具を用いた「CPAP療法」の認知度が高いですが、スリープスプリント療法は「コンパクトで持ち運びに便利」「歯科医院で手軽に作れる」「簡単なメンテナンスで長期間使用可能」などのメリットから、治療の最初の選択肢としてお勧めしております。

オーラルアプライアンス(OA)

作用機序とし下顎の開口制限と前方移動、および下顎の固定にあります。

睡眠時(特に仰向けで休んでいるとき)は下顎が下方に沈み、それによって気道が閉鎖され、いびきや無呼吸が起こるため、下顎を前方で固定させ、気道を確保します。

効果・有効率は90%と非常に高いです。

このマウスピースは軽度、中等度のOSASに有効とされています。

OAの治療の流れ

①重度の歯周病や、顎関節症がないことを確認します。

②上下顎の歯型および噛み合わせの位置を採取します。

③上あご、下あごにマウスピースを制作して、これを装着します。

④下あごを前に誘導して固定します。

⑤OAを装着した後も、顎関節や筋肉に過剰な負担がないかなどを確認します。

 

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時のいびき・反復する呼吸停止や覚醒時の日中傾眠・倦怠感・集中力、注意力の欠如などを症状とし、学習・労働意欲の低下や事故の増加などを引き起こす、見過ごせない病気です。

この装置は、当院の院長も長年使用しております。

本人は自覚しにくい病気のため、ご家族や周囲の方から、「いびきが大きい」「睡眠中に息が止まっていた」などと指摘されて気付くケースが大半です。ご心配な方はどうぞお気軽にご相談くださいませ。

 

※保険の適用を希望される方へ

保険が適用になるのは専門の医療機関(内科や耳鼻科)で検査を受けて、閉塞型睡眠時無呼吸症と診断された方となります。

その際、紹介状を持参してください。