こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。
令和4年度より保険適用となったCAD/CAMインレー。「保険治療で白い詰め物にできる」となれば、魅力的に感じる方も多いかと思います。
もともと、CAD/CAMインレーに先駆けて「CAD/CAMクラウン(被せ物)」が、数年前から保険適用となっています。4番、5番、条件付きで6番(7番)の臼歯へ入れることが可能です。
歯科におけるCAD/CAM(キャド・キャム)とは、コンピューターを利用してインレー(詰め物)やクラウン(被せ物・差し歯)を設計・制作するシステムのことを指します。
ここで一番お伝えしたいのは、CAD/CAMインレーは、セラミックインレーとは別物だということです。CAD/CAMで使う歯科素材は、レジン(プラスチック)に焼成前のセラミック(陶器)の粉を混ぜた物で、強度・耐久性はあまり高くありません。
俗に言う「オールセラミック」は製作の過程で焼成することで、強度と美しい透明感を出しています。しかし、CAD/CAMでは色が決まったブロック材を機械で切り出して製作するので、基本的に焼成は行われません。
強度でいうと、CAD/CAMはセラミックの約3分の1、セラミックはジルコニア(人工ダイヤモンド)の約半分程度でしょうか。
ここでの強度は、あくまでも物質としての硬さの話なので、虫歯になりやすいかどうかではありません。噛み合わせや適合性、審美性、さまざまなことを考慮して、適切な素材を判断します。
CAD/CAMとセラミックの主な違い
CAD/CAMインレー(冠)
✳︎色は白いものの、色調が単調で透明感がない。
✳︎長年使用していると、だんだん光沢が失われ、変色する。
✳︎セラミックと比較して柔らかいため、表面に傷がつきやすい。細菌で不衛生になる場合がある。
保険適用外セラミック
✳︎天然の歯と同様の色調、高い審美性がある。
✳︎汚れがつきにくく、綺麗な白さを長く維持できる。
✳︎傷がつきにくいため、比較的衛生さを保つことができる。
CAD/CAMインレーの製作過程
①口腔内で形成して、型取りをします。
②石膏模型が出来たら、咬合器につけます。
③模型を光学印象して、コンピューターに画像を取り込み、設計をします。
④ミリングマシンでブロックを削り出します。
約10分程でインレーの形になります。
⑤模型に試適して、研磨したら完成です!
CAD/CAMインレーは白い詰め物が入りますが、強度の問題により破折リスクが高くなります。
脱離したり、二次カリエスリスクも高くなるでしょう。
これらの理由で、非推奨の歯科医院も多くあります。
歯の治療の際に、気になる点やご不安なことがありましたら、スタッフにどうぞお気軽にご相談ください。