義歯のメンテナンス「リベース」について

こんにちは!丸尾歯科・技工士の池山です。

入れ歯(義歯)をお使いの方、調子良く使えていますでしょうか?

義歯が合わなくなった場合には、

歯科医院で調整をしてしっかり安定する様にすることが大切です。

合わない義歯を使い続けると、

正しい刺激が伝わらず、義歯を支える骨の部分が早く痩せてしまう原因にもなります。

この部分が痩せてしまうと、安定性も少なくなるので、ぴったり合った義歯を使用することが重要です。

 

今回は義歯の修理のひとつ、リベースをご紹介します。

義歯の内面を一層削り、新しく貼りかえる治療のことをリベースといい、リライン、リライニングともいいます。

粘膜調整後・床の破折修理後の義歯や、歯肉がやせてしまい、合わなくなった義歯に対してよく行います。

リベースの流れは・・・

①粘膜面側の床を一層削り、新鮮面を出します

②リベース材を盛りきれいに整えた義歯を、患者さんに1週間程そのまま使っていただきます

③お預かり

およそ1週間後の、朝、義歯をお預かりして夕方にお返し、

または、夕方にお預かりして翌日の朝にお返し…という流れで予約を取ります。

少しだけご不便をおかけします。

それでは、技工サイドの作業をご紹介します。

①ドクターのチェックを受けた義歯をお預かりして、リベース材との境をパラフィンワックスでうめます。

②フラスコ内にアンダーカットにならないように、埋没します。硬化したらフラスコを加温して、上下部を分離すると、粘膜面が綺麗に再現できる石膏模型ができます。

③リベース材を削って除去します。義歯床粘膜面のレジンを一層削除して新生面を出します。ワックスを流鑞して、金属がある時はサンド処理をしておきます。

④石膏面にレジン分離剤を塗布して、餅状になった熱重合レジンを塡入していきます。バリが出なくなるまで試圧を繰り返し、プレスで加圧します。

⑤開業以来40年使っている(^○^)圧力鍋で炊き上げます。加熱によるレジン重合させます。

⑥冷ましてからフラスコから出すと、バリが少しでています。エンジンでバリを取り除き、床辺縁の形態を整えます。

レーズをかけて、艶出しすれば完成です!

リベース材が、新しいレジンに置き換わりました。後は、口腔内でドクターが調整していきます。

リベース後は、新しい義歯のセットと同様に、義歯調整が必要になるかもしれません。リベースで治療が終了したという気がしますが、引き続きメンテナンスに通っていただきたいです。

また、リベースは小さな部分入れ歯でもすることができます。入れ歯の調子が悪くて、安易に入れ歯安定剤を使う前に、是非お気軽にご相談くださいませ。