糖尿病と歯周病のふか~い関係

こんにちは。丸尾歯科、衛生士の京極です。

今回は糖尿病と歯周病のお話です。

昨今、いろんなところで糖尿病と歯周病の関係が深いことを耳にすることが増えたことでしょう。

皆さんご存知の通り、糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなり、血糖値が慢性的に高いままになってしまう病気です。

インスリンは、骨格筋、脂肪細胞、肝細胞への糖の取り込みを促して血糖値を下げる働きをする唯一のホルモンです。

インスリンの働きが悪くなる理由

①膵臓の機能が低下し、十分な量のインスリンが分泌されなくなる

②インスリンの分泌量は十分だが、インスリンの糖の取り込みを促す力が弱くなる

糖が細胞に取り込まれずに血糖値の高い状態が続くと、血管が傷付き様々な合併症を引き起こします

糖尿病の怖いところは、実はこの合併症なのです。

糖尿病の三大合併症は①失明②腎不全③足の切断です。

この三大合併症は微小な血管の障害ですが、より大きな血管の動脈硬化が進行することで心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高くなります。   

しかも糖尿病は自覚症状がないままゆっくり進行していき、自覚症状が出た頃にはかなり血糖値が高い状態になっていることが多いです。

糖尿病と歯周病との関係

歯周病の場合、歯周病菌の出す毒素によって歯周ポケットの中で炎症が起きています。

炎症部位には、体の反応により「炎症性物質」が集まります。進行した歯周病だと、「炎症性物質」が歯ぐきから体内に持続的に供給される影響で、糖を体の細胞に取り込むインスリンの働きが弱められます。 

このため、血糖値が高いままになり、糖尿病が進行しやすくなると考えられています。

歯周病による糖尿病悪化のメカニズムとして考えられているのが、

歯周病が悪化→歯周ポケットの炎症が拡大→炎症性物質が体内へ侵入→インスリンの働きを阻害→糖尿病が悪化     

という負のスパイラルです。

歯周病が糖尿病悪化の一因になるだけではなく、歯周病が改善すると糖尿病が改善することがわかっています。

歯周病をきちんと治療することで歯ぐきの炎症が治まると、炎症性物質も発生しなくなります。そうするとインスリンがしっかり働いて、血糖値を下げられるようになり結果、糖尿病も改善するというわけです。

糖尿病だけではなく、歯周病との関連が高いと考えられている全身の病気に

心筋梗塞・脳梗塞、誤嚥性肺炎、関節リウマチ、菌血症、腎臓病、非アルコール性脂肪肝、早産・低体重児出産、骨粗鬆症、アルツハイマー型認知症

などがあります。

心疾患、脳血管疾患は日本人の死因の第二位、三位です。

歯周病により「炎症性物質」が歯ぐきから体内に入り込み、血流に乗って全身の様々な場所で病気の引き金になっています。

歯周病はもはやお口の中だけの病気ではなく、全身の病気に深く関わっており、歯周病も糖尿病と同じで様々な合併症を引き起こしているといえます。      

歯周病により炎症が起きている歯ぐきは傷口と同じで、歯周病菌が体内に流れ込む入口になります。

歯ぐきから血が出るという方はできるだけ早く歯科で治療を受けてください。

今は症状がないという方も、歯周病は痛みがなく進行し、自覚症状が出た頃にはかなり進行しているので、しばらく歯科へ行かれていない方は是非一度受診していただくことをおすすめします。

歯周病を治療しても、歯周病菌が完全にお口の中からいなくなる、ということはありません。もちろん歯科での定期的なメインテナンスが重要です!

きれいなお口で健康(健口)な人生を歩むのか、歯周病で様々な病気を引き起こしたり悪化させ不健康(不健口)な人生を歩むのかはあなた次第です。

当院では歯周病菌の特に悪さをする菌(Pg菌)がいるかどうかを検査する機械を導入しました。 

健康に生涯を過ごすためにもPG菌が存在するかしないか調べてみたい方はお気軽にスタッフにお声かけください。

丸尾歯科でも皆様のお口の健康、全身の健康を守るサポートをいたします!