歯科衛生士の山口です。
みなさんは「誤嚥性肺炎」という言葉を耳にしたことはありませんか??
誤嚥性肺炎とは
加齢によって噛む力が弱くなったり、舌を動かす筋肉が衰えたりすることで、食べ物を飲み込む嚥下機能が低下し、食べ物や唾液が肺に入ったままになってしまい、肺の中で炎症が起こることをいいます。
なんと、70歳以上の肺炎の約80%が誤嚥性肺炎と言われています。
誤嚥性肺炎を引き起こす原因のひとつにオーラルフレイルが考えられます。
オーラルフレイルとは
オーラルフレイルとは加齢による衰えの状態のひとつで、食物を噛んだり飲み込んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりするなど「口」に関連する機能が低下しつつある状態のことを指します。
オーラルフレイルと呼ばれる状態の特徴は、
機能低下を改善できることで、健康的な状態と病的な状態の狭間にあること
このため、オーラルフレイルは医学的な病名ではなく、加齢による生理的な変化であるともいえます。
一般的に、オーラルフレイルの始まりは、
・食事時のむせこみが増える
・硬い食品が噛めなくなる
・思うように喋れなくなる
などが挙げられますが、この状態を放置すると嚥下障害や構音障害など身体的、社会的な障害を引き起こすことが考えられます。
オーラルフレイルの予防と改善方法は
オーラルフレイルを予防するには、歯と口の健康を保つことが大切です。
具体的には、
「口の中を清潔に保つこと」
「加齢で衰える口腔機能の維持・改善に努めること」
が大切になります。
また、定期的な歯科検診で自分の歯や口の状態を知ることもオーラルフレイルの予防につながります。
口腔機能を改善、回復するには、
・唾液分泌を促す唾液腺マッサージ
・咀嚼や嚥下に必要な筋肉を鍛える口の開閉運動や口輪筋の運動、舌の運動など
をすることが必要です。
運動と言ってもただ動かすだけではなかなか筋力の回復は難しいです。
そこで、簡単に効率よくトレーニングできる道具が必要になります。
当院でオススメしているのが「たん練くん」です。
使い方は動画で↓
*水又はお茶を入れ、一気に飲みきるのではなく、1日かけてゆっくりトレーニングしましょう。
*決して砂糖入りのジュースや乳酸飲料、お酢などは虫歯のリスクがあるので使用しないでくださいね。