歯周病はお口だけでなく全身の健康にも影響を与えます。歯周病が引き起こす脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病については前回お話しました。
今回は誤嚥性肺炎とおなかの中の赤ちゃんへの影響についてお話します。
①歯周病菌などが誤嚥性肺炎の原因に!
誤嚥性肺炎とは、本来「口→食道→胃」と入るはずの食物かだ液が誤って「口→食道→肺」に入ってしまい、細菌かウイルスが肺で増殖して、肺に炎症を起こしてしまうことをいいます。お口の中の細菌の量が多い程、誤って肺に入り込んだときに誤嚥性肺炎になりやすくなります。歯周病を放置しているというのは、たくさんの細菌を飼っているのと同じことです。
歯科医院で歯周病治療をして、歯みがきでしっかりお口の中の細菌量を減らしましょう!
②歯周病がおなかの赤ちゃんに影響?
case1 歯周病の炎症が出産を促す?
歯周病が進行すると炎症性物質が歯ぐきから体内に入り込むようになります。炎症性物質が子宮の収縮を引き起こし、結果、赤ちゃんが押し出されて予定より早く産まれてしまうのです。
【歯周病菌が関与】
妊娠
↓
歯周病が悪化
↓
歯周病の炎症により、体内の炎症性物質やタンパク質分解酵素の濃度が上昇
↓
子宮の収縮
↓
早 産
case2 歯周病菌が子宮の内部に感染する?
血液中に入り込んだ歯周病菌が羊水や羊膜などに達し、感染が起こります。その結果、早産や胎児の発育不全を引き起こす可能性が考えられています。
羊水は本来、無菌的な存在ですが、早産の妊婦さんの羊水やへその緒から歯周病菌が検出されたという報告もあります。
いつか赤ちゃんをと思っている方は歯科医院で歯周病治療を早めに受けましょう!