衛生士の京極です。
今回はフロスと歯間ブラシのお話です。
みなさん毎日歯磨きされると思いますが、
丸尾歯科では一日に一回は10分以上かけて歯磨きをして頂くように指導させて頂いています。
お口全体の汚れ(プラーク)をキレイに落とすとなると、一本ずつ小さく歯ブラシを動かして隅々まで満遍なく磨くため少なくても10分以上はかかるからです。
しかし、私たちプロがどんなに丁寧に磨いても歯ブラシだけでは全てのプラークは落とせないのです(泣)
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届かないので、フロスや歯間ブラシでお掃除をする必要があります。
歯ブラシが届かない歯間に日常的にプラークが溜まっていると、定期的に歯科医院にメンテナンスに通われていたとしても、そこからむし歯や歯周病になってしまいます。
最近では一日2回以上歯磨きする方が増えてきていますが厚生労働省やライオンの調査ではフロスや歯間ブラシを日常的に使用している方は3割程度に留まっているそうです。
実際、丸尾歯科に初めて通院されるようになった方に初回の歯磨きチェックをさせていただく際にお伺いすると、歯ブラシのみの方が多いです。
歯ブラシが届かない場所の一つは歯と歯が接している「コンタクトポイント」の部分です。
この隙間には歯ブラシの毛先は入りませんがミクロサイズの細菌は入り込み、プラークとなって酸を出し、むし歯を作る原因になります。
ここに溜まったプラークはフロスでないと取り除けません。
そしてもう一つ歯ブラシで磨ききれない場所は歯と歯の隣り合ったところの「歯の根元まわり」です。ここは歯ブラシが当たりにくく、溜まったプラークは時間がたつと病原性が増してきて歯周病の原因となります。
ここに溜まったプラークを取り除くには、フロスや歯間ブラシを根元まわりに沿うように当てながら磨く必要があります。
それでは、まずフロスの使い方を説明します!
①コンタクトポイント(歯と歯が接している所)のお掃除はフロスを歯と歯の間にのこぎりを引くようにスライドさせながら挿入します。
スライドさせることで摩擦が減り、フロスが入りやすいです。
※いきなりグッと押し込むように入れると勢い余って歯ぐきに食い込み傷つけてしまうかもしれないのでスライドさせながら入れてください。フロスがきつくて通りにくい時は、ワックス付きのフロスがおすすめです。
②歯と歯の間にフロスを入れたら奥の歯の面の根元まわりに沿わせ、少しだけ歯ぐきの間にフロスを入れ込みます。
③歯にフロスを沿わせたまま、歯の根元から先端方向に(コンタクトポイントのすぐ下まで)フロスを動かします。
④フロスについた汚れはティッシュで拭き取るかお水で洗い流して次の場所のお掃除をしてください。フロスが切れてしまったり、ほつれて細くなってきたら新しい物と交換してください。
次に歯間ブラシの使い方を説明します!
歯間ブラシが根元から折れてしまったり、ブラシの部分がヘタってきてワイヤー部分が出て来たら交換してください。
フロスと歯間ブラシの使い分けとしては、歯と歯の間に隙間がないのならフロスで、隙間が開いているのなら歯間ブラシがいいですが、ご自分のお口の状態にあったものを選ぶにはぜひぜひ歯科医院にご相談下さい!
フロスには持ち手がついているタイプと糸を切って指に巻いて使うタイプがあります。
歯間ブラシには持ち手がストレートのタイプとL字に曲がっているタイプがあります。
また、歯間ブラシは色々なサイズがあり、隙間に合ったサイズを選ぶ必要があります。太すぎると無理矢理通すことで歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。
細過ぎてもしっかり歯に沿わせないとプラークが取り残されてしまいます。
それぞれの隙間に応じたサイズを使い分ける必要がありますが、初めてフロスや歯間ブラシを使われる際はサイズ選びも衛生士におまかせ下さい!
また正しく使用されているか、歯や歯ぐきを傷つけていないかメンテナンスの際にチェックさせて頂きます。
フロスや歯間ブラシを使われていない理由の一つに面倒に感じる、という方が多いのではないでしょうか。
歯周病が進行しやすいのがプラークが残りやすい(歯ブラシではお掃除できない)歯と歯の間からが多いのですが、アメリカの研究データに歯周病が進行している人が心疾患にかかるリスクが1.5倍、冠動脈性心疾患で亡くなるリスクが1.9倍、心臓発作を起こすリスクが2.8倍というデータがあります。
つまり、歯周病が命に関わりかねないということなのですが、このデータを見ると面倒くさいではすませなくなりますよね…
また、今の時期はインフルエンザの流行期ですが、未だ収束していない新型コロナウイルスも含め感染症対策としても歯ブラシはもちろんフロスや歯間ブラシを使ってお口の中を清潔に保つことが予防にも繋がります。
理由としては
①インフルエンザや新型コロナウイルスが人に感染するのに必要な酵素を減らすことができる。
②腸内細菌のバランスを整えて免疫力を上げることができる。
③肺炎にかかるリスクを下げることができる。
歯科医院にメンテナンスに行けない場合は、おうちでの丁寧なセルフクリーニングでお口と全身の健康を守りましょう!
フロスと歯間ブラシの使い方を丸尾歯科のYouTubeで公開していますので是非ご覧下さい(^^)
フロスの使い方↓↓↓
歯間ブラシの使い方↓↓↓