こんにちは。丸尾歯科技工士の安波です。
保険診療の被せや詰め物に使われている銀歯は何の金属(成分)なのかご存知の方は少ないと思います。
銀歯だから殆ど銀でしょ!?って思っている方も多いのではないでしょうか。
(確かに銀が一番含まれていますが。)
銀歯に使われている金属は金銀パラジウム合金、
業界では金パラと呼ばれる合金が用いられています。
「銀歯なのに金が?!?!」
そうなんです、びっくりですね!
金銀パラジウム合金は名前の通り、
金と銀とパラジウムを主成分とする合金で、
金が12%、銀が46%、パラジウムが20%、他に銅や亜鉛などが含まれています。
(メーカーによって金以外の成分量は少し違いがあります。)
金が12%も含まれているのです!!!!!!!
保険診療のクラウン(被せ物)、インレー(詰め物)、ブリッジなどに使われます。
金が12%入っていても見た目は銀色なので銀歯って呼ばれても仕方ないですね^_^
そしてもう一つ驚かれるかもしれませんが、
歯に被せる銀歯や銀色の詰め物に使われるこれらの合金は欧米など先進諸国では現在使用されていないんです。
世界で日本だけしか使われてないのです😥
今の保険用金属の規格が定められたのは1960年頃で今も未だ使用されているのです。
今では日本人の口の中は銀色の金属だらけになってしまいました。
とはいえ保険診療に安価な金属が導入されたことで歯科治療が抑えられました。
がしかし、当時安価だったこの金属ですが、ここ数年の金価格の高騰、レアメタルのパラジウムの高騰で金銀パラジウム合金の価格が急騰しています。
そのようなこともあり、昨今になって
日本でもメタルフリー(金属を使わない)の流れになっています。
保険でも奥歯の一部で白いプラスチックの材料が被せに使われるようになりました。
しかし材質的には強度の問題などもあり、金属と比べ一長一短というところです。
流れ的に、近い将来は金属を使用しない方向になっていくのは間違いないようです。