丸尾歯科、保育士兼歯科助手の季羽です。
今回はお子さんの指しゃぶりのお話です。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時から指しゃぶりをしています。
これは、生まれてすぐに母乳を飲むために練習をしているのです。
生まれるとしばらくの間指しゃぶりをしなくなりますが、生後2ヶ月ぐらいから自分の指がお口の近くに来た時に反射的に吸うようになります。
徐々に自分の意思で手を動かせるようになってくると、、、
自分の指だけでなく、おもちゃなどいろいろなものをお口に入れるようになります。
目で見て、手を動かして口まで持ってきて、口に入れて感触を確かめてみるという動きは、とっても大事!
遊びながら、体の協調運動を学んでいるのです!!
1歳までの指しゃぶりは、発達していく中での自然な行動なので、見守ってあげてくださいね。
歩けるようになるとだんだんと減ってきますが、眠い時や退屈な時、また気持ちを落ち着けるために指しゃぶりをすることも多いです。心配されるお父さんお母さんも多いと思いますが、3歳頃までは見守ってみましょう。
3歳頃になり保育園や幼稚園での集団生活の中で社会性が身についてくると、お友達の前で指しゃぶりをすることが「恥ずかしい」という気持ちが芽生えて、自然とやめるきっかけになることもあります。
乳歯が生え揃い、第二乳臼歯(一番奥に生えてくる乳歯)が噛み合うのが2歳半~3歳頃です。
3歳を過ぎてからも頻繁な指しゃぶりが続くようなら、噛み合わせや歯並びに影響が出やすくなるので、やめるようにしていきましょう。
指を吸う力で、歯や顎に力がかかるため、上の歯の歯列が狭くなったり、開咬(上下の歯を噛み合わせた時に隙間が空いている)や、上顎前突(いわゆる出っ歯)に繋がりやすくなります。
それにより呼吸や食事、発音に影響が出て、口呼吸になったり、くちゃくちゃと音を食べるようになったり、舌足らずな話し方になることもあります。
この時に気をつけたいのが、強く注意したり、叱ったりしないこと。子どもにはストレスになってしまいます。
まず指しゃぶりをしているのはどんな時かよく見てみてください。眠い時に指しゃぶりしているのであれば、寝かしつけの時に手を繋ぐようにしてみる。テレビを見たり退屈そうにしている時に指しゃぶりしているのであれば、お話をしたり一緒に遊ぶなど。どんな時にしているかによって、指しゃぶりをしないように気持ちをそらしてみましょう。
また3歳くらいになると、少しずつお話もわかるようになってきます。ただ「やめようね」と言うのではなく、なぜ指しゃぶりをやめてほしいか、お話してみましょう。歯並びへの影響を伝えるのは、お子さんにはなかなか難しいので…「手についてるバイ菌がお口の中に入ってしまうからやめようね」など、お子さんにもわかりやすい言葉で伝えてみてくださいね。
お誕生日や進級をきっかけに、「お兄さんお姉さんになるから、この日にやめようね」と目標を決めてみるのもいいかもしれません。
お父さんお母さんも気になってしまい、ついつい「またしてる!」と注意してしまいがちですが、「一緒に頑張ろう」という気持ちで応援してあげてくださいね。